代表挨拶
これまで大学や研究機関で統計学やAI技術を学び、民間のコンサルティング会社で数多くのデータ分析プロジェクトに携わってきました。こうしたアカデミアとビジネスの両方の現場で培った経験を活かし、2017年6月に独立し、企業の皆さまのデータ分析・活用をご支援させていただく会社を設立いたしました。
ビジネスにおけるデータ活用の動きを振り返りますと、特に2010年代から大きく進展してきたように思います。当初は、これまでの経験や勘に頼るのではなく、客観的な根拠に基づいて意思決定を行うことの重要性が注目され、統計分析も使いながらデータを可視化し、その傾向を人が理解することが主な目的でした。やがて深層学習を中心とする第3次AIブームが到来し、「AI」という言葉の広がりとともに、データ活用においても、人が分析して「理解」することより、AIで処理を「自動化」することへの関心が高まっていきました。その流れをさらに加速させたのが、2022年に登場した生成AIです。ビジネス界では、どうしても最新の技術に熱狂しやすく、急速に進化するAIに引きずられるように、まだ始まったばかりだったはずのデータ活用の取り組みも、一気に自動化の追求へと傾いていきました。しかし、AI技術の進化と同じスピードで、実際のビジネス現場におけるデータ活用のレベルも進化できるかというと、必ずしもそうではありません。
私はこうしたAIの潮流の中にあっても、データ活用の本質的な価値は「自ら理解し、考えること」にあると考えています。実際に自らの手でデータを分析し、現象を読み解き、そこから課題解決のヒントや気づきを得る。その一つひとつのプロセスがとても重要だと思いますし、そうした経験を積み重ねることで、日頃からデータを活かす意識が醸成されていくのだと思います。そして何より、データ分析には「楽しさ」もあります。最初は膨大なデータの状態では何も見えませんが、分析を進めていくうちに、そのデータに潜む現象の特徴が紐解かれ、思いがけない発見と出会えることがあります。それは知的好奇心を刺激し、さらに深いインサイトを得ようとするモチベーションを引き出してくれます。こうした人間の探究心が導く洞察には、AIではまだ届かない深さがあるように感じます。
一人ひとりが日常的にデータを扱い、分析の楽しさを感じながら、自ら理解し、考え、賢く活用していく。そうした取り組みが文化として根づいている組織こそ、どんな時代でもデータの活用を武器に前進できる、真に強い組織なのではないかと思います。私たちは、そうした組織づくりを支えるパートナーとして、企業の皆さまのデータ活用のお取り組みをご支援できるよう、誠心誠意尽力してまいります。データを分析する楽しさと、そこから得られる気づきが、次のアクションへとつながっていく。そのプロセスをご一緒できることを、心より楽しみにしております。
2025年6月1日
株式会社アナリティクスデザインラボ
代表取締役 野守 耕爾
経歴
- 2012年3月 早稲田大学大学院 創造理工学研究科 経営システム工学専攻 博士後期課程修了 博士(工学)
人間工学を専門領域とし、人間行動の計算モデルの開発を研究
(2010年4月~2012年3月 独立行政法人日本学術振興会 特別研究員DC2に採用) - 2012年4月 独立行政法人産業技術総合研究所 デジタルヒューマン工学研究センター 入所
センシング技術を応用した子どもの行動計測と人工知能技術を応用した行動の確率計算モデルの開発を研究
(2008年4月より同センターの技術研修生として研究に従事) - 2012年12月 デロイトトーマツグループ 有限責任監査法人トーマツ デロイトアナリティクス 入所
データサイエンティストとしてビッグデータを活用したビジネスコンサルティング及び分析技術の研究開発に従事 - 2017年6月 株式会社アナリティクスデザインラボ 設立
賞歴
- 2018年7月 人工知能学会 2018年度全国大会 優秀賞
- 2018年3月 経営情報学会 2018年春季全国研究発表大会 優秀報告賞
- 2015年11月 日本マーケティング学会 マーケティングカンファレンス2015 ベストペーパー賞
- 2015年4月 サービス学会 第2回国内大会 Best Paper Award
- 2013年3月 ヒューマンインタフェース学会 学術奨励賞
- 2011年6月 日本人間工学会 大島正光賞(最優秀論文賞)
- 2009年9月 日本人間工学会 第50回大会 最優秀研究発表奨励賞
保有特許
- 特許第7221527号「分析方法、分析装置及び分析プログラム」(2023年2月6日登録)
- 特許第7221526号「分析方法、分析装置及び分析プログラム」(2023年2月6日登録)
- 特許第6085888号「分析方法、分析装置及び分析プログラム」(2017年2月10日登録)